還元軟化膨潤

還元・軟化(アルカリ)・膨潤説明を小学生でも解るように・・パーマ・縮毛矯正違いとプロセス・ケミカル講座【美容師向け】側鎖ってどういうこと?水素結合とS-S結合の動きは?酸化反応を勘違いしていませんか?


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どうも、こんにちは。こんばんは。masakiです。

今回は、読者さんから来ていた質問です。

いつも拝見させて頂いております。

本当にレベルの低い質問で申し訳ないのですが、
軟化・膨潤・還元の違いを素人でもわかるぐらいのレベルで教えてください。

いろんな本などを見ても、イマイチしっくりくる答えが出てないので、よろしくお願いします。

といった質問がきましたので、今回のテーマは、まぁ題名の通りなんですが・・・「パーマにおける還元・軟化・膨潤」について簡単にご紹介していきたいと思います。

今回理解できる内容は3つです。

  • パーマをかけるために必要な要素・タンパク変性とは?
  • パーマで出てくる側鎖って何??
  • パーマにおける軟化と膨潤を簡単に・・・

動画で見たい方はこちら

ではでは、

小学生でもわかる還元・軟化・膨潤講座

まず最初に

還元 ⇒ 還元剤

軟化 ⇒ アルカリ

膨潤 ⇒ 還元剤 & アルカリ

パーマや縮毛矯正で考えた場合これが基本だと思えばいいです。

還元はチオやシスアミなんかの還元剤でおきる現象です。

まずは理由なんかいらないから覚えていおきましょう。

そして、まず「還元」です。そのまま還元剤ですが、

使用される代表的な還元剤・関連成分:

  • チオグリコール酸
  • システアミン
  • システィン酸
  • チオグリセリン
  • スピエラ
  • GMT(チオグリコール酸グリセリルモノチオグリコレート)

沢山あります。

この子達が髪の側鎖の「SS結合」を切ります。

そして髪の形を変化させる。この辺は理・美容師さんなら分かりますよね?

H(水素)がどうして置換反応で・・・とか、小難しい理論は呪文になるから紹介しません(笑)

パーマをかけるために必要な2つの要素【熱変性と水素結合】

パーマ還元・軟化・膨潤

では、まずブローで髪に形がつく原理なんですけども、これは大きくわけて2つあります。

髪に形をつける2つのメカニズム:

  • 髪のたんぱく質の熱変性で形をつける
  • 髪の側鎖である水素結合を利用する

髪のたんぱく質を熱変性で形をつける

あなたは髪の毛がタンパク質でできているぐらいは知っいますよね!?

パーマ還元・軟化・膨潤

ケラチンとかいうたんぱく質です。人体では他に爪が同じようなもんなんですけど、たんぱく質っていうのは熱で変性します。

タンパク質の熱変性です。

なので簡単に考えたらいいです。

パーマ還元・軟化・膨潤

■ 卵を思い出してみてください
「温泉卵」「ゆで卵」…そして「目玉焼き」。
どれも“熱でタンパク質が固まる”現象ですよね。
これ、美容の世界では「熱変性」と呼ばれるものです。

■ コテやアイロンでカールが出る理由
実はその原理も、この熱変性なんです。
髪の中のタンパク質に熱を加えることで形が固定される──つまり、
“卵が固まる”のと同じように髪も形を記憶するということ。

■ じゃあ、何度からタンパク質は変性するの?
これ、意外と知られていませんが…
厳密には50℃くらいから始まると言われています。

でも、実際にパーマや縮毛矯正で「形状に変化を与えられる温度」って
どのくらいだと思いますか?

■ 現場の肌感覚で言うと…
美容師歴20年の自分の感覚では──
「130℃あたりからが本番」じゃないかと感じています。
もちろん、これは科学的根拠というより、
現場での経験とプロの勘(笑)ですが、感覚的にズレてないと思ってます。

■ 熱変性はコテだけじゃない
・コテで巻く
・ストレートアイロンで伸ばす
・そしてブローやドライヤーの熱──
実はどれもこの「熱変性」を活用しているんです。
つまり、ドライヤーでも髪のタンパク質に熱を与えて変性を起こしているということですね。


🔍まとめると…

  • 熱変性とは「卵が固まる」と同じ現象
  • 髪もタンパク質なので、熱で形を変え、キープできる
  • 実用温度は130℃前後(現場感覚)
  • コテ・アイロン・ブロー、すべてに関係する超重要ワード!

パーマで出てくる側鎖って何??

次に

髪の側鎖である水素結合を利用する

側鎖って何?

小学生でもわかるシリーズだから簡単に説明します。

よく美容師さんは髪の毛を「のり巻き」に例えますよね。

パーマ還元・軟化・膨潤

海苔がキューティクルで中にご飯が詰まってるヤツ、あれがタンパク質だと思えばいいです。

そして側鎖っていうのは酢飯のお酢の部分だと思ってください。

パーマ還元・軟化・膨潤

ご飯粒どうしを繋ぎとめてる結合なんですね。。

側鎖には何種類かの結合があるんですがブローで利用されるのは「水素結合」と言われる結合です。

パーマ還元・軟化・膨潤

この子は、髪が水で濡れることによって結合が切れる。
そして、乾くことによってまたくっつく。

簡単ですね!?

髪が濡れると柔らかく感じるのもこの結合も関係しているはずです。

そしてこの水素結合がどういう風にブローで使われるかと言うと、

パーマ還元・軟化・膨潤

こういう感じで側鎖結合があるとしたら水で濡れる事によって水素結合っていうのがカットされちゃう訳です。

で、例えば、丸くカールをつけたとするとこの子達がズレます。

パーマ還元・軟化・膨潤

こんな感じかな???

実際はもっともっと沢山結合はあんだけどね。。

で、こいつが乾燥するとその結合がくっつきます。

パーマ還元・軟化・膨潤

その形にあわせて近くにある水素結合同士が仲良くなっちゃうわけです。

〇とXの位置が変わってるますよね!?それでカールがついて固定されるんです。

うねり、クセのある髪がストレートになる原理も同じです。

どうですか?

小学生でもわかるにしては多少難しいかもしれませんが、この2つは必須なんです。

これを良く理解しとけば、できるだけダメージの少ないブロースタイリングを会得できるはずです。

そして、書いてる水素結合がSS結合に変わるだけです。

パーマ還元・軟化・膨潤

図はまったく同じで 〇と×が SS結合になるだけです。

還元剤が入るとSS結合をカットする!

これを「還元」と言います。

パーマ還元・軟化・膨潤

そしてロッドに巻いて形つけるとSSの位置がズレます。

パーマ還元・軟化・膨潤

ずれた位置で2液をつけて固定する。

ちなみにこれを「酸化」と言います。

パーマ還元・軟化・膨潤

アルカリ性を酸性にするから酸化、ってわけじゃないんです!

ここを混同している美容師さんが意外と多いので、要注意です。

酸化ってのは切れた結合を2液の「O(酸素)」を利用してくっつけます。

だから・・・ 酸化です。

パーマにおける軟化と膨潤を簡単に・・・

まずは軟化・・・

パーマ還元・軟化・膨潤

これは「ph」が関係してきます。

パーマ還元・軟化・膨潤

■ パーマや縮毛矯正のとき、髪はアルカリ性に傾きます。
髪の毛って本来、弱酸性(pH5.5くらい)が理想的な状態なんです。
でもパーマや縮毛矯正では、薬剤の力を引き出すために、一時的にアルカリ性へと傾けます。
これがいわゆる「軟化する」っていう状態です。

■ 軟化って何?簡単に言うと「柔らかくなること」
アルカリ性になると、髪の表面のキューティクルが開いて
薬剤が内部に浸透しやすくなります。
さらに、髪の側鎖にあるイオン結合も切れていきます。

■ でも…アルカリに行き過ぎるとどうなる?
これが怖いところです。
過剰なアルカリは「過軟化」につながり、
ひどい場合には髪がドロドロに溶けることもあります。
だからむやみにアルカリ性に振るのは危険なんです。

■ でも、還元剤はアルカリが好き…という矛盾
実はほとんどの還元剤って、アルカリ性になればなるほど活発になるんです。
例えば、昔から定番のチオグリコール酸なんかは、
中性以下ではほとんどSS結合を切れないんですよ。

■ このバランスが、美容師として超大事!
薬剤の力を引き出すためにアルカリ性が必要。
でも、やりすぎれば髪に深刻なダメージ。
この矛盾とバランスの中で、
「どこまで攻めて、どこで引くか」を見極めるのが、
美容師の腕の見せ所なんです。


🔍まとめ

  • 髪は本来弱酸性(pH5.5)
  • アルカリ性になると柔らかくなり(軟化)、薬剤が浸透しやすくなる
  • イオン結合が切れるが、やりすぎると過軟化・溶毛のリスク
  • 還元剤はアルカリ性でよく働く → この矛盾がパーマの難しさ
  • 安全と仕上がりの両立がプロの仕事!

次に膨潤・・・

パーマ還元・軟化・膨潤

この膨潤ですが・・・・

こいつは今まで紹介した還元剤とアルカリの両方で起こる現象です。

いや、正確に言うと髪は水で濡れただけでも少しは膨潤してるんですが。。

ネットで調べると・・・

膨潤(ぼうじゅん)とは?

水分を含んで、髪がふくらむこと。
簡単に言えば、「髪が水を吸ってパンっとふくらむ」現象のことです。

そのままやないかい(笑)

だから髪を濡らすだけで正確に言えば膨潤している。

パーマ還元・軟化・膨潤

ただしパーマや縮毛矯正で考えると、還元剤が入ってアルカリ性に傾くと水だけで膨らむより「1.5倍~2倍程度膨潤する」と言われています。

そしてあまり過膨潤してしまうと、髪の組織が壊れて修復不可能になってしまいます。

こんな状態で熱でも加われば一撃必殺です。

縮毛矯正やデジタルパーマのビビリ毛の失敗で一番多い原因かもしれません。

まぁそういう事です。

動画で見たい方はこちら

まとめ

パーマにおける還元・軟化・膨潤

今回のテーマは「パーマにおける還元・軟化・膨潤」について簡単にご紹介していきました。

今回紹介した内容は3つ。

  • パーマをかけるために必要な要素・タンパク変性とは?
  • パーマで出てくる側鎖って何??
  • パーマにおける軟化と膨潤を簡単に・・・

タンパク変性は、ブローにも必要だし、パーマにも必要ってことがなんとなく分かりましたかね?

まずはタンパク変性とは何なのか?簡単な仕組みから覚えていくことが大切です。スポーツでも一緒ですよね?サッカーでゴールを決める。バスケットでゴールを決めていって、そこから楽しみ方を知っていって、次に興味が湧いてくると、どのようにすれば相手を抜けるのか?どうやったら勝てるのか?を勉強していきます。美容師におけるパーマも案外根本は一緒だったりします。

また、今回紹介した水素結合以外にもイオン結合や塩結合なんかもあるから、それらは・・また・・次回紹介していきます。まずは、この「水素結合」「S-S結合」が分かればOKです。

実際は薬を髪の毛に付ければパーマはかかりますし、軟化だってします、その中で、なんであれは成功したんだろう?とか、失敗したんだろう?と考えることが次の成功の1歩になっていきます。

ますはパーマの仕組みを簡単でもいいので知っておくことで、選択肢の幅や失敗した時に何がいけなかったのか?などが分かるようになっていくのも知識を付けていく上でとても必要な事になっていきます。

ぜひパーマ知識を付けてパーマを楽しんでいきましょう。

最後まで見て頂きありがとうございます。また次回の記事でお会いしましょう。

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